JJ プログラム仙人修行日誌

2024/04/20 からは、プログラム仙人修行の日誌を書いてます。

円周率は,約 3,それとも,3.14

「円周率を約 3って教えるのは酷い」みたいな論調があります。
私は,逆で,円周率を約 3で教えるていると聞いたときは,凄い!って思いました。
数学や算数は,基本的に知識の積み上げの教科です。単純に積み上げの授業をしていくと,そのうち大量の落ちこぼれが生まれます。落ちこぼれた場合,それを拾って教えていくのが授業だろうという主張もありますが,限界もあります。ですから,新しい単元に来たら,可能であれば,出来るだけ積み上げを前提しない教え方を導入すべきです。

これ話題に出す人は,小数点を含むかけ算ぐらいだれでも出来るだろうと思っていると思います。しかし,0.2 × 0.3 = 0.06 と計算できない人は,大人でも,10 人に 1 人ぐらいるのではないでしょうか。最近の若者がレベルが落ちたと言われますが,今も昔も小数のかけ算をできずに大人になった人はある程度の割合でいたと思います。出来ない人はそれを隠すので目立たないだけだと思います。

もともと,円周率を,3.14 と教えたのは,π = 3.14159…,のうち,最初の3桁を教えたにすぎません。「円周率は,3.14」と答えるより,「円周率は約 3」と答えた方が数学的には正しいです。

例えば,計算においても,直径2センチの円の円周は,6.28 センチとデジタル風に認識するよりも,約 6 センチとアナログ風に方が,数学的な直感力が働きます。これは,デジタル時計よりもアナログ時計の方が時間感覚がするどくなるのと同じです。
直径2センチの円を1辺が2センチの正方形に入れたとき,円周は正方形の周よりも小さいことが直感的に分かります。実際に測ってみると,正方形の3辺分よりも少し長いです。円周は,直径の3倍よりも少し長い,約3倍と認識するのが本質的です。余った分が,辺との割合で,0.14に当たるというのはあまり本質的ではありません。

もちろん,小数のかけ算は重要です。しかし,小数のかけ算ができない子どもにも円周率を直感的に理解させておくというのは大切で,約3と教えるのはより数学的で正しいというのが私の考えです。